クイックレポート

“Aniplex Online Fest 2021”、『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア 』特番レポート

2012年に放送されたTVアニメ『ソードアート・オンライン』から続く『SAO』シリーズは、今や日本のみならず世界中で人気を誇るコンテンツとなっている。そんな『SAO』シリーズの中で、アインクラッド第一層からの軌跡を描いたリブートシリーズである『ソードアート・オンライン プログレッシブ』は、原作者の川原礫がアスナ視点で描く新たな《アインクラッド》編とも言える物語だ。

番組では、シリーズ2度目の劇場作品となる『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』の公開に先駆けて、これまでの『SAO』の歴史と原点を、様々な関係者の証言から振り返っていった。

ナレーションを、劇場版に登場する新キャラクター・ミトを演じる水瀬いのり。そして、シリーズの中心とも言えるキリト役の松岡禎丞とアスナ役の戸松遥が、それぞれの証言を聞きながら、それに対してトークしていく。

株式会社アニプレックスの『SAO』アニメ制作プロデューサー・丹羽将己氏が今回の劇場版について「このタイミングで原点のエピソードである《プログレッシブ》編を映画化することで、多くの皆さんに『SAO』の世界に気軽に触れてもらいたい。そして映像技術の進化も見てもらいたい」と語ると、そのあとはバンダイナムコエンターテインメントの『SAO』ゲーム統括プロデューサー・二見鷹介氏がゲームの視点からの『SAO』を、ニッポン放送アナウンサーで『SAO』イベントの名司会者・吉田尚記がイベントでの熱狂を語り、シリカ役の日高里菜やリズベット役の高垣彩陽は、共演者として二人と『SAO』の思い出を振り返っていた。

最後に原作者である川原が登場。TVアニメ第1期の第1話を観たときの衝撃を熱弁すると、声優選考を振り返り、松岡の声を聞いてキリトのかっこよさではなくナイーブな部分を感じたこと、戸松の声からは自暴自棄になっていた当時のアスナの「ただ負けるのはイヤだ!」という意思の力を感じたことなどを語っていく。

また、戸松の笑い声は原作にも影響を与えていたそうで「戸松さんのおかげで、アスナの笑顔は相当増えたと思います。後半、キリトや周りを力づけることしか言わない。周りにエネルギーを与える存在としてのアスナは、戸松さん本人とすごく重なる部分がある」と話していた。

そして原作者から、実際の世界でのキリトとアスナは、いつ頃結婚すると思うかと質問された二人。責任重大としながらも「卒業し就職し、結果26歳か27歳くらい? でももっと早くてもいいかもしれない」と松岡が言うと、「良く言えばいつでもいいし、心が離れることはない」と戸松が力強く答える。それに対し「(アンダーワールドに)200年一緒にいて別れなかったわけだから」と松岡も《アリシゼーション》編のエピソードを出しながら共感していた。

アスナ視点で描く新たな《アインクラッド》編である『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』については、「新鮮さと懐かしさの両方がある不思議な感覚」だったと語る。新キャラのミトや原作者・川原自らが追加した新規エピソード、更にはアスナの家族のことや、結城明日奈がどのようにゲームに入っていったのかなどが丁寧に描かれるとのこと。二人で共通して話していたのは、この作品を観てTVアニメ第1期の第1話を観ると納得できるところが多いということで、だからこそ早くみんなに観てもらいたいと語っていた。

二人にとって、人生の1/3を共に歩んできた『SAO』シリーズの原点が描かれる『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』は、10月30日より全国公開される。

TEXT BY 塚越淳一