注目アニメの最新情報や豪華アーティストたちのライブで構成された“Aniplex Online Fest 2021”のラストを締め括るのは、やはりこの人しかいないだろう。数々のアニプレックス作品でテーマソングを担当し、2010年代以降のアニメソングの盛り上がりを牽引してきた存在、LiSAの登場だ。2020年12月には初のオンラインライブ“ONLiNE LEO-NiNE”を開催し、5thアルバム『LEO-NiNE』の楽曲を軸に、趣向を凝らした演出で、配信ライブの新しい可能性を提示してみせた彼女。以降もアコースティックツアー“LiVE is Smile Always～unlasting shadow～”の模様を配信するなど、オンラインにも積極的に取り組んでいる彼女だけに、この日もステージの熱気をそのままパッケージングしたようなライブを、今や世界中にいるLiSAッ子に届けてくれた。

ライブの幕開けを飾ったのは、彼女の2ndシングル「crossing field」。TVアニメ『ソードアート・オンライン』《アインクラッド》編のOPテーマとして、アニメファンの脳裏に彼女の歌声を深く刻みつけた名曲だ。ドラマチックかつ疾走感のある曲調で知られるが、その爽快感に加え、ダブルギター編成によるバックバンドの重厚なアンサンブルが耳にずっしりとした感覚を与えてくれる。それらの演奏に身を委ねながら、起爆力のあるボーカルを叩きつけていくLiSA。体のシルエットがわかりやすい衣装のため、楽曲に合わせてしなやかに動く長い手足も印象的だ。次々とスイッチングしながら、LiSAやバンドメンバーの動きに肉迫するカメラワークも、興奮を高める。

そしてステージが暗転し、LiSAの力強い歌い出しとともに「紅蓮華」へ。TVアニメ『鬼滅の刃』のOPテーマであり、彼女をさらに広大な場所へと連れて行った、LiSAを代表する1曲だ。赤い羽織を纏ったLiSAは、深紅に照らされたステージ上を、さらにアグレッシブに動き回り、激しくも艶めかしいパフォーマンスで観る者の熱狂を誘っていく。照明演出も相まって神秘的なムードを漂わせたDメロのパートを経て、溜め込んだエネルギーを一気に解放させたようなラスサビの圧倒的な光景。その桁違いの熱量は、きっとカメラの向こう側のすべての人々に伝わったはずだ。歌唱中の鋭い表情から一転、最後は「今日もいい日だっ！　ばいちっ！」とにこやかに挨拶し、カメラに向けて名残惜しそうに手を振っていたLiSA。やはり彼女のライブは配信で体験しても、あらゆる壁を越えた繋がりを感じさせるものだった。

TEXT BY 北野 創（リスアニ！）