メジャーデビュー10周年の記念日となった2020年10月20日、初の配信ライブ“ClariS 10th Anniversary Precious LIVE～ Gift ～”を実施し、そこで仮面を外してライブを行い、さらに今年4月に行われたイベント“「魔法少女まどか☆マギカ」Anniversary Stage”でも素顔でパフォーマンスを届け大きな話題となったClariS。アニバーサリーイヤーを経て秘密のベールを脱いだ二人が、無料配信となった同フェスで、ありのままの自分たちを表現した。

純白のドレス衣装に身を包んだクララとカレンは、代表曲の1つである「コネクト」でライブをスタート。彼女たちと同じく放送10周年を迎えたTVアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』のオープニングを飾った、言わずもがなの大名曲だ。ステージの四方は階段状のステップに囲まれており、無観客の配信ライブならではのユニークなロケーションとカメラ割りが、二人の華麗なパフォーマンスに特別な色味を加えていく。また、ClariSのライブと言えば、クララとカレンの動きのシンクロが見どころの1つだが、それに加えて仮面を外したことで表情もしっかりと見られるようになったことが、これまで何度となく披露してきた「コネクト」を、さらに味わい深いものにしていたように思う。

アウトロでお互い向き合い、小指を重ね合わせて「コネクト」を歌い終えると、MCでは「10年経った今でも、たくさんの方に愛されるアニメとともに、私たちの楽曲もたくさんの方に楽しんでいただけて、本当に嬉しく思っています」（クララ）と、改めて『まどマギ』との10年について語る。そんな二人が次に披露したのは、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』の主題歌「カラフル」。ステップを上がり、色とりどりの電飾で彩られた幻想的なステージに立った彼女たちは、歌詞の内容や楽曲の意味にさらなる奥行きを与える振付とともに、モノクロの世界から鮮やかに色づく未来へと踏み出す「カラフル」の世界観を表現していく。そしてラスサビ、画面いっぱいにカラフルな花びらが舞い散ったかと思うと、ステージの上空に現実のものとは思えないオブジェが登場。AR的な映像演出によって魔法のようなステージを実現させた。そのメルヘンチックな光景に、ClariSとオンラインライブとの相性の良さを改めて感じた人は多かったはずだ。

TEXT BY 北野 創（リスアニ！）